2018-11-12 「死の仮面を被った少女」を見てしまった しゅみ この作品を見たことはありますか?なんとも不気味でどういう感情で見ていいのか、いまいち分からない作品。タイトルにも使わせてもらった、この作品こそが「死の仮面を被った少女」です。そこで今日は美術館に足を運んできたので少し『ザ・ベスト・セレクション』中でも印象的だった作品について、まとめていきたいと思います。 「死の仮面を被った少女」 画家フリーダ・カーロの作品が日本で初めて公開されていました。なぜこの少女は不気味な仮面を被りひとり佇んでいるのでしょうか。ドクロの仮面を付けた幼い少女が、素顔を隠したままじっとこちらを見つめている。フリーダ・カーロ自身が流産で亡くした自らの子を描いた絵だということが解説に書かれていました。少女が被っている、「死の仮面」は死者の日の玩具。手にするマリーゴールドは死者を道案内する花として墓地に供えられ、横に置かれた「虎の仮面」は子供の魔除けとして使われたものみたいです。傷ついた体で何度も子供を産もうとした、しかし医者の制止は振り切れても体がそれを許さず、作品にこらえきれない心身の痛みを吐き出したようです。 作品を見たまま感じたこと 顔が描かれていないのはフリーダが、我が子の顔を想像できなかったからなのでしょうか。それとも母の記憶がない、少女の方が戸惑いを隠しているという意味なのか。本当のところは分からないけど、我が子を失った母親の言いようのない悲しみと戸惑いが滲みでた作品になっていました。。命はことに子供においてはどんな状況下においても、結果的な譲渡の対象になってはいけないのではないかと、考えさせられる作品でした。 やっと紹介できる時がきました!!私が大好きな岡本太郎さんの代表的な作品。こちらはまさか近くの美術館に展示されているとは思いもしていなかったので、大興奮しました!じっくり見れてよかったです笑 「明日の神話」 知る人ぞ知る、あの「太陽の塔」を大阪万博のためだけに制作した岡本太郎さんが「太陽の塔」と同時期に制作され、太郎さんの最高傑作の一つと言われている作品です。東京のJR渋谷駅と京王井の頭線渋谷駅を結ぶ連絡通路に展示されていたものです。高さ5.5メートル、長さ30メートルと壮大なスケールで描かれたこの壁画ですが、なにをモチーフに描かれているのか細部について細かく見ていきます。 この「明日の神話」ですが、実は原爆が炸裂するその瞬間が描かれています。爆発の中心には、骸骨と炎をモチーフとしたものが描かれています。太郎さんはこの壁画の制作にあたって、何度も現地のメキシコに足を運んでいたようです。メキシコの祭礼では骸骨を飾る習慣があり壁画の中心に描かれている骸骨は「死と生は隣合わせである」ことを語っているといいます。中心のすぐ下には原爆の炎に焼かれる無数の人々や、絶望的な状況の中、船でマグロを獲っている場面も描かれていますね。間近で見ると立体的に描かれているのでおすすめです。 こちらは、私が川崎市にある岡本太郎美術館へ行ったときに撮った写真ですが、この時に見た、岡本太郎さんの妻である岡本敏子さんの言葉を一つ紹介させてください。 「原爆という残酷な力が炸裂するのと同じくらいの強烈さで、人間の誇りの力が燃え上がっている。画面全体が哄笑していて悲劇に負けていない。その先にこそ明日の神話が生まれる」 ⁂最後に 自然災害が相次いで発生し、深刻な事態が続いている現在 今こそ、こういった作品を多くの人に見てもらいたいです 長くなりましたがご視聴ありがとうございます。